1. まえがき
去る11月6日に、富山にて富山マラソン2022が開催されました。
筆者も9年ぶりのフルマラソンとして参加し、無事に完走することができました。
ここではなぜフルマラソンを走ることにしたのかと、実際に走った感想などを書き連ねていきたいと思います。
2. 9年越しの挑戦
筆者はもともと高専~大学院までの9年間、陸上部に所属しており長距離をやってきました。
超ド田舎の中学には陸上部がなかったですが、地域の駅伝大会などに積極的に出場していたので、一応活動という意味では10年以上はやっていることになります。
トラックでのベストは下記の通り。4種とも大学時代の記録です。
1500m:4'18"48(2010.9)
3000m:9'11"(2013.11)
5000m:15'50"82(2013.10)
10000m:33'22"82(2013.10)
そして、フルマラソンは過去2回出場した経験があります。
東京マラソン2013(東京):3:15'25"(2013.2)
第44回 防府読売マラソン(山口):2:41'57"(2013.12)
ではなぜ9年ぶりにフルマラソンを走ろうと思ったのか。
それは、あまりにだらけすぎたからです。
2014年に大学院を卒業して就職してから1年目はランニングを継続しており、2015年2月には香川丸亀国際ハーフマラソンに出場しました(結果は1時間22分で目標の1時間20分切りはならず…)。
ただ、そこで膝を負傷し休養したが最後。それから約6年間、ほとんど走ることなく過ごしていました。
2022年の年明け、ふと体脂肪計に乗って測ってみたら…
学生時代から体重は10kg増加、体脂肪率は1桁台からなんと20%を超えていました。
流石にまずいと思い、ランニングに復帰することとしました。
そして何か目標がないとモチベーションが持たないので、気候的にも走りやすい11月のフルマラソンを走ろうということで富山マラソンが候補に挙がったわけです。
フルマラソンの目標タイムは、1km5分ペースの3時間30分切りとしました。
3. 練習
練習、とはいってもたいしたことはしていません。
jogのみです。基本的には仕事から帰ってきて夜に走ります。
最初は1km5分ちょっとのペースで6-7kmくらいで身体に走る感覚を取り戻させ、慣れてきたら1回の距離を伸ばしペースを上げていくような形でした。
ただし、ペースはその時の体調で無理をしない程度に調整していたので日によって速かったり遅めだったりばらつきがあります。
本来は9月頃には月間200-300kmくらいの練習量になるよう計画していましたが、5月頃から左肩を痛めてしまいその治療が続いたこともあって10月にやっと月間150kmという体たらくに。
また、長い距離に慣れるために9月から10月にかけて20kmを3回、33kmを1回走りました。
正直、練習量は圧倒的に少なかったです。ですが、普段のjogのスピード的に1km5分ペースは行けるだろうとは思っていました。
4. 当日の流れと実際に走った感想
富山マラソンのコースは下記画像のように高岡市→射水市→富山市の3つの市を通る道のりとなっています。
また、コースの高低図は下記の通り。中間地点付近に何やらありますね。
〇当日朝
3:50
起床。
午前中の早い時間の大会でも、スタートの5時間前に起きるようにしています。
現役時代もそれに気を付けて睡眠調整していました(特に駅伝大会となると朝が早く苦労しました)。
4:20頃
コンビニへおにぎりを買いに行くついでに3kmほど散歩。
流石に北陸の朝は寒く、気温は4.5℃でした。
5:00
朝食を摂る。
おにぎり×2個、バナナ2本、カロリーメイト1箱(4本入り)、水分
ちなみに食事もスタート3時間前までには終えるようにしています。
今回は少し早めでしたが。
6:20
このバスに乗るために半年前に駅前の東横インを予約しました。
皆同じことを考えていたのか5日だけ満室になっていたので、富山マラソン目的で新高岡駅前の東横インに泊まるなら会員登録をして6ヶ月前になったらすぐに予約をおすすめします(非会員だと3ヶ月前にならないと予約できません)。
ちなみにシャトルバスに乗る前に検温があり、検温済みを証明するリストバンドを装着しました。
このリストバンドがシャトルバスへの乗車や、スタートブロックへ入る際に必要とのこと。
6:50頃
スタート地点に近い高岡工芸高校に到着。
少しのジョギングと、念入りにストレッチをして過ごす。
フルマラソンは長いので、スタート前に汗がにじむほど身体を動かすことはしないです。このさじ加減は個人差があります。
7:30頃
走る格好に着替えて、上からダイソーで買ってきた防寒用のレインコートを着て手荷物を全て預ける。
スタートブロック開放が7:45からで、そこから1時間以上待つことになるので何かしらの防寒対策は必須です。
ちなみに買ったレインコートはこちら↓
レインコート(大人用、L、カーキ・ネイビー) | 【公式】DAISO(ダイソー)ネットストア
前日にダイソーに駆け込んで買いましたが、安い方の透明なレインコートは売り切れてました。まさか・・・!?
防寒対策は人それぞれで、大き目のごみ袋に穴を開けて被るとか、キャンプなどで使用する防寒シート(銀色のやつ)だったりします。脱いだらすぐごみ箱へ捨てられるものが良いでしょう。
7:45
スタートブロック開放、即入場。
自分はA~WまであるブロックのうちDだったので、割と前の方でした。
ブロックごとに仕切りが置いてあり、とりあえずDブロックの一番前に陣取って待機しました。
ちなみに、スタートブロックの真横にごみ回収用の箱が置かれているので着ているレインコートなどはスタート直前に捨てることができます。
飲み切れる分の水分やゼリーを持参するのもありでしたね。
8:50頃
スタートブロックの仕切りが撤去され、Aブロックからスタート地点に詰めていきます。
Dブロック先頭はおおよそスタートラインから120mくらいの場所まで来ました。
9:00
いよいよスタート!
一斉にスタートするのですが、Dブロックでも前方には1000人ほどいるため、スタート地点をくぐるまでに32秒かかりました。
公式タイムは号砲が鳴ってからのタイム(グロスタイムと呼びます)で、スタート地点に達するまでの時間も含まれるためタイムを狙うならできる限り前に並んだ方が良いです。
※そもそもガチな人は2-3年以内の記録証を提出してAとかBブロックに並ぶものなのであまり関係は無かったり。筆者は9年間マラソンを走っておらず提出できる記録もないのでDブロックが限界でした。目標タイム的にもDブロックがちょうどよかったです。
ちなみに、ゼッケンに取り付けられたチップで計測しているのでスタート地点~ゴールまでの”真の42.195km”のタイム(ネットタイムと呼びます)もちゃんと出ます。
※3万人以上が走る東京マラソンでは、号砲から全てのランナーがスタート地点を通過するのに15分程度かかるらしいです。
~10km(高岡市内)
スタート地点であることや富山西部の主要都市もあって、沿道にはたくさんの観客が居ました。
途中高岡大仏を見かけた覚えがないなと思ったら、ランナーから見て背後にあったみたいです。分からなかった(´;ω;`)
市街地なので高低差の少ないほぼフラットな道のりで走りやすかったです。
スタート直後は周囲にたくさんランナーがいるのでその流れに乗りつつ前に出ていきましたが、7kmくらいでばらけてきてランナー同士の間隔が広がり、走りやすくなりました。
10~21km(射水市:中間点)
10km手前から庄川の土手沿いを約6kmほど真っすぐに走ります。
フラットな道ですが、景色がなかなか変わらないので精神的には少し辛い区間かもしれません。
海沿いから東へ進路を切り替えると、いよいよ富山マラソン一番の魅力であり山場の新湊大橋が見えてきます。
新湊大橋は富山新港に架かる日本海側で最大の斜張橋で、総延長3.6km、最高点は海上から47mの高さがあります。
※画像は下記サイトより引用。
スポット・体験 | 【公式】富山県の観光/旅行サイト「とやま観光ナビ」
新湊大橋の道路部分は通常車でしか通ることができませんが、この富山マラソンではなんと走って渡ることができます。
※道路下部に「あいの風プロムナード」という歩行者用の通路があり、通常は道路部分への立ち入りはできません。
しかし、画像からも分かるように橋を渡る過程の高低差がきついです。
橋の最高点まで1.5kmほど緩やかな上り坂を上っていかなければならない、しかも20km走ってきてからのこれなので相当しんどかったです。
橋の最高点を超えて少し走ったところでちょうど中間点を迎えます。
おそらく橋を中間点にするようなコースに設定したのでしょう。
しんどさもありましたが悪いことだけではありません。
当日は快晴で、新湊大橋を上り切ったところからの景色はとても綺麗で、こんな景色を眺めながら走れるなんて最高!という感じでした。
この感動は、実際に走った人じゃないと分からないな~と思うくらい。
天候に恵まれて本当に良かったと思います。
中間点~30km(射水市)
新湊大橋を渡り切ると、県道41号に出るまでは防風林(のような植栽)が両側に植わった道をまっすぐ進みます。
ここでの向かい風がそこそこあって、後述する脚に異変が生じた25km地点~30km過ぎが今回のレースで一番しんどい区間でした。
富山高専射水キャンパスを折り返して県道41号へ出ると、開けた田園地帯の中を走っていきます。
障害物がないので、風が吹いている際はもろに身体に受けることになります。
30km~ゴール(富山市)
30kmから37km地点(北代交差点)までは、引き続き開けた田園地帯の道路を走ります。が、少しづつ民家の数も増えてきます。
北代交差点を曲がると、やや細い民家の間を縫っていくような道になります。
この辺りを走っているとき、「これ、あと5kmで本当に市街地に出るのか?」と不安になりました。そう思うくらいの閑静な住宅街でした。
40km地点を過ぎて富山北大橋に差し掛かるところで漸く富山市の市街地へと入ります。
富山北大橋の緩い坂を乗り切れば、ゴールの環水公園はもう間近。
そんなこんなで、何とかゴールすることができました。
コースの総括としては、新湊大橋の上りがきついけれども他は総じてほぼフラットなコースであり走りやすいと感じました。10~15kmや30~37kmあたりの景色が変わらない箇所は人によっては辛いかなといったところ。
無事完走したランナーには、メダルとフィニッシャータオルが贈呈されます。
メダルは高岡大仏、立山連峰、環水公園がデザインになっていますね。
5.実際のタイム
今回は3時間30分を切ることが目標でしたが、これまでの経験上30km以降はほぼ失速する(よく30kmの壁とも言われます)前提で、3時間20分ペース(1km4分44秒)を目安に走ろうと考えていました。
そして実際のタイムが下記表の黄色い網掛けの部分。
ペース配分とはいったい何だったのか。
序盤は周囲にランナーが多数居ることもあって多少速くなるとは思っていましたが、5kmを21分台はさすがに飛ばし過ぎだし、そのまま中間点まで行っちゃってます。
中間点を1時間32分ちょっと、つまり3時間一桁ペースで通過し「ばっかじゃねぇの!!笑」と自分に言いたくなるくらいオーバーペースでした。実際バカだった
圧倒的練習不足の状態でオーバーペースで飛ばして何も起こらないわけがなく、
25kmを過ぎた時点で前腿に痛みと違和感が出てきました。
分かる人には伝わると思いますが、肉離れになりそうな時の痛みと張りです。
肉離れを起こしたら最後、棄権するしかないのでペースを落として何とか持ちこたえました。
30kmを過ぎてくるとそこに脚に蓄積した疲労も重なってごっそりペースを落とすことになってしまいました。
ただ、そのような状態になっても完走できたのは不幸中の幸いだったと思います。
また前半のオーバーペースの貯金のおかげで3時間20分切りができた、とも言えます。
というか、あの練習量でよく20分切れたなという気持ちが大きいです。
大会本番のノリってやつですかね。
脚の痛みの原因は分かり切っていて、完全な練習不足、つまりは距離を踏めていないことです。水分不足の線も考えられますが、こまめに水とスポーツドリンクを摂取していたので薄いと思っています。
今回のレースでは、呼吸や心拍については新湊大橋の上り部分以外は思ったよりも楽でした。なので、距離を踏めていない部分がもろに出たと考えています。
やはり、フルマラソンで3時間前半以内を狙うなら
・月間200~300kmくらいは走る。
・30km程度の距離走や2~3時間程度のLSDを何回もこなして、「長時間走ること」に身体を慣らす。
・15~20kmくらいのペース走やビルドアップ走で一定のペース感覚を覚える。
これくらいはしないと安定して走れないなと感じました。
ちなみに、フルマラソンで自己ベストを出した頃は月間500~600km走っていました。
やっぱり練習量でこうも開きが出るんだなと。
6.総括
だらけ切った自分に喝を入れるために再開したランニング、そしてモチベーションの為にエントリーした富山マラソンでしたが、走ってよかったと感じています。
幸運にも天候に恵まれ、素晴らしい景色を眺めながらのレースは最高でした。
また、3時間20分を切れたことで自信もつき、モチベーションも大幅アップしました。
生きているうちにもう一度フルマラソン3時間切り(サブスリー)を達成したいと思っているので、もっと精進します。
富山マラソンは、東京マラソンの規模を少し小さくして北陸版にしたもの、という印象を受けました。これほどの地元の方たちの力の入れようは、他の大会でもなかなか見られません。まさしく地域のお祭りイベントです。
また、富山を含む北陸エリアは観光にもうってつけの場所です。
もし今後走られるならば、観光も一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
※この記事を書いている最中に、まさかの東京マラソン2023出走が決まりました!
一般抽選で落選だったけど、アシックスのキャンペーンに応募しておいてよかったです。
2023.3/5が本番なので、今度は3時間10分切りを目指して頑張ります!
というわけで!
— つかぽん🦐 (@2KAPON_xbcc) 2022年11月16日
来年3月5日に、2013年大会以来10年ぶりに東京マラソン走ります!!
目標は3時間10分切りで練習頑張ります💪 https://t.co/GtRIkEKcbd